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ゲーオ×木村を大予想!<第1回>久保優太「ゲーオにテクニックで対抗したら誰も敵わない。ミノル君がプレッシャーをかけて展開をどう作るか」
ゲーオ×木村を大予想!<第1回>久保優太「ゲーオにテクニックで対抗したら誰も敵わない。ミノル君がプレッシャーをかけて展開をどう作るか」

2015年1月18日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される「K-1 WORLD GP 2015 ~-60kg初代王座決定トーナメント~」。今大会のスーパーファイトではK-1 WORLD GP-65kg王者ゲーオ・フェアテックスと木村“フィリップ”ミノルが対戦する。そこで初代王座決定トーナメントでゲーオと対戦した3選手がこの一戦を大予想! 第1回は木村とはFighting Kairosの仲間でもある久保優太だ。
――最初のこのカードを聞いた時はどんなことを思いましたか?
「『ミノル君、いきなりチャレンジするんだな』と思いました。ただ“失うものがない”ではないですが、チャンスだと思うので、当たって砕けろ精神でいい試合になると思っています」
――木村選手はトーナメント1回戦で左右田泰臣選手にKO負けしていますし、木村選手にとっては厳しい試合になる、と。
「相当プレッシャーはあると思いますね。負けた後の試合はしっかり勝つことが大事で、そこからどんどん調子を上げていくものじゃないですか。KO負けしたと言ってもボディで倒されたので、意識を飛ばされてKOされるのとは違うと思うのですが…それでもやっぱりここでゲーオとやるのは『ミノル君、やるなぁ!』という気持ちです」
――ゲーオ戦が決まってから木村選手と話はしましたか?
「はい。まさにミノル君は『僕に失うものはないから』と言っていました。僕はまだ足の怪我があって本格的に練習できていないのですが、試合の2日後にミノル君は練習を再開していて、やる気満々という雰囲気が伝わってきます」
――練習仲間として木村選手はどんなファイターだと分析していますか?
「一発があるタイプなので、倒せるチャンスは他のファイターよりもあると思うんですね。なのでミノル君のパンチが当たったら絶対にゲーオは倒れると思います」
――スパーリングでもパンチ力は感じますか?
「むちゃくちゃ感じますね。だからスパーリングするのが怖い時があります、特に試合前は(苦笑)。自分がスパーリングの相手をしていなくても、ミノル君がスパーしているのを見ているだけで怖いです…」
――普段からそういう殺気が出ているタイプですか?
「はい。あとラテンの血が入っているので、スパーリング中にスイッチが入るのが分かります(笑)。あの底知れぬパワーはちょっと日本人にはないものなので、あれがゲーオ戦で出たら面白いでしょうね」
――逆にゲーオについてはいかがでしょう?
「技のキレ、テクニック、フェイント、相手の隙を見つけるスキルは本当にすごいです。実際に肌を合わせてみて、ゲーオと戦っているのが楽しかったです。でもそこで調子に乗ったじゃないですけど…パンチが大振りになってしまって、ゲーオからしたらパンチを合わせやすかったのかもしれません」
――ゲーオは60kgでも試合をしていた選手ですが、階級が上の相手と戦った方が持ち味を出すタイ人もいます。ゲーオもそのタイプかなと思うのですが、久保選手はどう思いますか?
「確かにそういうタイ人はいますよね。ゲーオも技のスピードやキレで勝負するタイプだと思うので、もしかしたら65kgの相手と戦うと相手の攻撃が遅かったり、見切りやすかったり、カウンターをとりやすいのかもしれません」
――久保選手もスピードやキレで勝負するタイプですが、階級が上の相手の方がやりやすい部分はありますか?
「ありますね。階級が上の選手とスパーリングすると、あんまり攻撃はもらうことはないです。その反面、こっちが攻撃を当てても、あまり効かない。だから階級が上の選手と戦うことで利点がなきにしもあらずだと思います」
――他にゲーオと戦って感じたものはありますか?
「ゲーオは自分の攻撃を当てるのも的確だし、こっちに攻撃を出させてカウンターを取る=誘うのが上手かったですね、それで倒された僕が言うのもあれなんですけど(苦笑)。あとギリギリのところで使うテクニックもすごい。僕がやられたのは、前に出ようとした時に足を払われて、バランスを崩したところをパンチで狙われました。ああいうタイ人ならではの百戦錬磨のテクニックは本当にすごかったです」
――見ている側からすると小さなことでも、実際にやられるとやりにくいわけですね。
「はい。しかもそこにハイキックというキレがある武器が飛んでくるので、戦っていてスリリングでした」
――久保選手がここはいけそうだと感じた場面はありますか?
「やはり体重が軽いので、パンチも蹴りも攻撃そのものは決して重くなかったです。その分、スピードとキレがある感じです。ドシン!ではなくてスパン!みたいな」
――ずばりゲーオVS木村はどんな試合展開を予想しますか?
「前回のミノル君は左右田選手のプレッシャーに下がらされたので、それを反省点として挙げていると思うんですよね。だから自分からプレッシャーをかけつつ、展開をどう作っていくか。それで局面が変わると思います。同じ格闘家としても、この2人が戦うことは客観的に楽しみです。ミノル君は他の選手にない一発があるので、倒す確率は他の選手より高いと思うんですね。きっとゲーオにテクニックで対抗したら誰も敵わない。そこで僕はスピードで対抗しようと思ったのですが、それがミノル君の場合はパワーだと思うんですよね。だからミノル君だったらゲーオに勝つチャンスはあると思うので、そのチャンスにかけてほしいです」
――ゲーオ有利は変わらないですか?
「でもゲーオには心の隙があるんじゃないですか? 自分はチャンピオンになっていて、1回戦で負けた相手と戦うわけだから。ゲーオクラスの選手になればそういった隙はないかもしれませんが…もしかしたらそういう隙があるかもしれないので、ミノル君にとってはそれもチャンスだと思います」
――久保選手は一ファイターとして、この試合を心情的にどう感じていますか?
「正直に言うと複雑は複雑です。でも僕とミノル君はジムメイトで後輩なので、勝ってもらいたいという気持ちの方が大きいかもしれません」
――やはりゲーオに特別な感情はありますか?
「ああいうKO負けは久しぶりだったので、ゲーオにリベンジしたいという気持ちは強いです。今の自分がゲーオに勝てる自信がないという意味ではなく、ゲーオに負けた選手としてゲーオに100%勝てるという準備が整ってから、もう一度、ゲーオと戦ってリベンジしたいです」
――ここで木村選手がゲーオに勝ってしまうと、先を越されることになります。もしそうなった場合、そこに悔しさはないですか?
「ミノル君じゃなかったら、悔しいと思うかもしれませんね。もしミノル君以外の選手が相手だったら、ゲーオに勝ち続けてもらって、自分がリベンジしたいと思っている気がします。以前、僕が大和哲也選手にKO負けした時、すぐその次の試合で大和選手が卜部功也選手に負けたのがものすごくショックだったんですよね。それはきっと僕が卜部選手と戦う可能性があったからで。でもミノル君は僕のジムメイトで、基本的に戦うことがない選手なので、今回は純粋にミノル君のことを応援したいです」
――分かりました。最後に久保選手の話も聞かせて下さい。先ほどはまだ怪我で練習が出来ていないとのことでしたが、今はどういう状況ですか?
「トーナメントで怪我をしてしまって、ずっと身体と気持ちの疲れを癒していました。僕の経験上、トーナメントは気持ちのダメージが大きいんですよね。特に今回はゲーオ選手に負けた悔しさだったり色んな感情があって。でももう身体も動かせるようになって、気持ちも回復してきたので、そろそろ練習を再開しようかなと思います」
――どのくらいの時期に復帰したいという希望はありますか?
「ちょうど4月にK-1もありますし、春には試合に出させてもらいたいですね。前回のトーナメントでみなさんに優勝する姿を見せられなかったことはすごく悔しかったのですが、僕自身は戦っていて本当に楽しかったです。やっぱりリングに立つことは気持ちいいし、僕にとってK-1が特別な場所だということを再確認しました。これからもK-1のリングで活躍して、格闘技界を盛り上げたいと思います!」
<選手プロフィール>
久保優太 Kubo Yuta
所属ジム:Fighting Kairos
出身地:東京都
誕生日:1987/10/19
身長:175cm
クラス:-65kg
タイトル歴
・K-1 WORLD MAX 2011 -63kg日本チャンピオン
・初代Krush -67kg級チャンピオン
・GLORY -65kg SLAMチャンピオン
・ISKA世界ライト・ウェルター級チャンピオン
・WPMO世界スーパー・フェザー級チャンピオン