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ヴァンダレイ・シウバ×木村“フィリップ”ミノル、スペシャル対談が実現!ゲーオ戦に向け秘策伝授!?
ヴァンダレイ・シウバ×木村“フィリップ”ミノル、スペシャル対談が実現!ゲーオ戦に向け秘策伝授!?

2015年1月18日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館「K-1 WORLD GP 2015 ~-60kg初代王座決定トーナメント~」のスーパーファイトでK-1 WORLD GP -65kg初代王者ゲーオ・フェアテックスに挑む木村“フィリップ”ミノル。この大一番を控える木村が大晦日「INOKI-BOM-BA-YE2014」(両国国技館)に立会人として来日しているヴァンダレイ・シウバのもとを訪れ、両者の対談が実現した。
対談前、珍しく緊張した様子の木村だったが、シウバが取材場所に現れるとポルトガル語で挨拶。木村の試合映像を見たシウバが木村の試合ぶりを絶賛するなど、和やかなムードで対談が始まる。緊張がほぐれた木村はシウバにプロ格闘家として今の自分に必要なことを質問し、シウバもそれに丁寧に回答するなど、両者の対談は大いに盛り上がった。
――お話を聞かせてもらう前にシウバ選手に木村選手の試合映像を見ていただきました。木村選手の試合を見た感想はいかがですか?
シウバ 動きが早くてパワーもある。まだまだ若いし、しっかりトレーニングを続けていれば、将来有望な選手になると思ったよ。
木村 ヴァンダレイ選手は総合格闘家で、寝技やグラウンドが強い選手もいる中で、最後は必ずKOで勝ってきたじゃないですか。自分のスタイルを貫くために意識していることはあるんですか?
シウバ まず自分のバックグラウンドがムエタイということが大きい。もちろん柔術やグラウンドの練習もしているけど、それはサブミッションで一本勝ちすることが目的ではない。グラウンドになっても立ち上がり、そしてスタンドでKOするためなんだ。そうやって常に相手をKOするという意識を持って戦い続けてきたんだ。
木村 僕はヴァンダレイ選手とクイントン“ランペイジ”ジャクソン選手が最初に戦った試合が好きで、ヴァンダレイ選手が笑いながら首相撲からガンガンヒザ蹴りを入れて、最後はKOするっていう。あの場面がものすごく印象に残っています。
シウバ あの試合とサクラバ(桜庭和志)と最初に戦った試合はとても印象深いね。
――シウバ選手は自分の教え子や若い選手たちにはどんなアドバイスを送るのですか?
シウバ とにかく誰が対戦相手であっても自分のスタイルを貫く。それに尽きるね。試合が始まった序盤は相手の動きを見て戦わなければならないし、タフな相手と戦うこともあるだろう。でも自分のスタイルを貫けば、必ずチャンスはやってくるものなんだ。そしてタフな相手であればあるほど重いパンチを一発入れることが大事だね。
木村 ヴァンダレイ選手はずっとトップ選手として活躍していますが、普段はどんなスケジュールで練習されているのですか?
シウバ とにかく試合に向けて同じトレーニングを続けているよ。若干メニューを変えるところがあるとすれば、ウエイトトレーニングを増やすくらいで、基本的にはコンスタントにMMAのトレーニングを続けることを大事にしている。どうしてもトレーニングを続けていると身体に負担がかかってくるので、マッサージを受けたり、半日トレーニングを休んだり、そこは自分と身体と相談しながら調整しているよ。
木村 これも同じファイターとして聞きたかったことなのですが、ヴァンダレイ選手は闘争本能MAXで試合に臨むじゃないですか。例えば計量が終わってから試合を迎えるまで、どのように過ごしているのですか?
シウバ 試合前だから食べる物を変えるとかそういったこともしない。普段の練習前後に食べているものを試合前にも食べるようにしている。いつも食べていて身体が慣れているものを食べるのが一番だからね。メンタルに関しても普段の練習で良い練習が出来ていれば、試合になった時に良い精神状態で臨むことが出来る。とにかくいつも物事を良い方向に考えて、悪い方向には考えない。すべてを良い方向へと持っていくんだ。そうすれば試合の時にポジティブな状態で戦うことが出来るよ。
木村 僕は11月に行われたトーナメント(K-1 WORLD GP 2014 ~-65kg初代王座決定トーナメント~)の1回戦でKO負けしてしまいました。もしヴァンダレイ選手も過去に試合で負けて挫折を経験したことがあるなら、そこからどうやってモチベーションを上げていったのか、教えてもらえますか?
シウバ ファイトは勝つこともあれば負けることもある。そういうものなんだ。だから試合で負けることはしょうがない。だから頭を切り替えてポジティブに次のことを考えるのが一番だよ。

――木村選手は1月のK-1でチャンピオンのゲーオ・フェアテックス選手と対戦します。シウバ選手からアドバイスはありますか?
シウバ これは最大のチャンスだよ! あまり知られていない選手を20人倒したとしても誰も評価してくれない。でもチャンピオンやタフな相手を一人倒せば、みんなが評価してくれるからね。そして大事なことは対戦相手が何をやるかではなくて自分が何をやるか、それを考えて戦うことだね。
木村 ありがとうございます!
――以前、シウバ選手に取材をした時『試合中にファンの声援が力になる』と言われていました。やはりプロのファイターはファンに愛される選手を目指すべきですか?
シウバ もちろん。観客の声援はとても重要で、いかに観客を自分の見方につけるかも重要だ。当然、試合中に劣勢になることもある。でもそこで勝つことが出来れば、みんなが自分についてきてくれるよ。
木村 僕は日本の格闘技をもう一度盛り上げたいと思っています。そのためにはどんな選手が必要で、今戦っている選手はどんなことを意識すべきだと思いますか?
シウバ 物事の流行にはサイクルというものがある。だからそのサイクルが良い時もあれば、悪い時もあるのは当然さ。そこでファイターが何をすべきか。それはファンに対していい試合を見せ続けることなんだ。自分がPRIDEに出始めた時、誰もヴァンダレイ・シウバのことを知らなかった。でも良い試合を続けていれば、たくさんの人たちが自分のことを見てくれるようになった。だから良い試合を続けることで、必ず良いサイクルが来ると思っているよ。
木村 僕もヴァンダレイさんの魂を受け継いで頑張ります!
――もし木村選手がシウバ選手のジムまで行けば一緒にトレーニングしてくれますか?
シウバ いつでもOKさ。もし君の故郷のブラジルに帰ることがあったら、ブラジルにいるトレーナーと一緒にトレーニングしよう!
木村 是非お願いします!
――今回、シウバ選手は大晦日に行われる「INOKI BOM-BA-YE2014」の立会人として来日されます。この大会にはエメリヤーエンコ・ヒョードルが来場し、ミルコ・クロコップが石井慧選手と戦うなど、かつてPRIDEで共に戦った選手たちが集結しますね。
シウバ こうしてまた日本に来て、かつて一緒に戦っていた仲間たちと会えることは本当にうれしくて光栄だよ。昨年3月にUFCの日本大会で試合をした時も、自分のキャリアにおいて良い試合が出来たし、日本のファンはいつでも暖かく迎え入れてくれる。それは本当にうれしいことだよ。

木村 最後にヴァンダレイ選手にお願いがあるんですけど…
シウバ 何だい?
木村 僕とフェイス・トゥ・フェイスでにらみ合ってもらえますか?
シウバ もちろんさ!
フェイス・トゥ・フェイスの撮影を終えると、両者はポルトガル語で会話を始め、シウバが木村にゲーオ戦に向けて熱心にアドバイスを送る。取材時間ぎりぎりまで2人の会話は続き、木村は「これで負けられない理由が増えました!」と対談を振り返った。
「ヴァンダレイ選手は俺が一番影響を受けたスーパースター」。憧れのシウバに激励を受けた木村が打倒ゲーオに挑む!